- 著者:
- 池波正太郎
- 朗読:
- 三好翼
千駄ヶ谷は法雲山・仙寿院門前の茶店〔蓑安〕名物の草もちを一人ですべてつくっている嘉平老人は、実は法楽寺の直右衛門一味でその名を名草の嘉平といった。
オーディオブックのことなら名作・名著を文芸から一般・学術書まで提供することのは出版オーディオブック。日本の心シリーズ、文豪、時代小説など脳を健康にするオーディオブックを揃えています。
千駄ヶ谷は法雲山・仙寿院門前の茶店〔蓑安〕名物の草もちを一人ですべてつくっている嘉平老人は、実は法楽寺の直右衛門一味でその名を名草の嘉平といった。
「こりゃあ、御手柄だ」冷酒を満たした茶碗を手に聞いた岸井左馬之助の話に、長谷川平蔵は真顔になり「いくらでも恩に着よう」「ざまあ見ろ」左馬之助、大得意である。
平蔵はニツ目橋にあるなじみの軍鶏なべ屋〔五鉄〕へ密偵の彦十を呼び、夜鷹殺し捕縛のための策を練った。方策は「たった一つしかごぜえやせんよ、鋏つぁんの旦那」「む。囮か」
〔瀬音の小兵衛〕は、浅草観世音の境内でばったり再会した昔なじみのおまさとともに、昼飯――菜飯やとうふの田楽を口に運びながらも深い考えに沈んだ。
文明開化の空の下、新聞記者に半七老人が語る江戸の思い出話・・・話の妙味ははもとより、厳密な時代考証のうえに作者自身の体験が生身の厚みを加える。ーーおもしろい!
文明開化の空の下、新聞記者に半七老人が語る江戸の思い出話・・・話の妙味ははもとより、厳密な時代考証のうえに作者自身の体験が生身の厚みを加える。ーーおもしろい!
文明開化の空の下、新聞記者に半七老人が語る江戸の思い出話・・・話の妙味ははもとより、厳密な時代考証のうえに作者自身の体験が生身の厚みを加える。ーーおもしろい!
「僕だってやられちゃうかもしれないよ」沖田総司も一目置く”鬼貫”は、守銭奴であった。命を惜しむ侍であった――激動を生き抜いた男たちが語る”吉村貫一郎”の生き様。
新撰組志士 吉村貫一郎は、立場を超えて互いを想い合った親友であった南部藩重臣 大野次郎右衛門に切腹を迫られる。二人の思いと決断、そしてそれがもたらすものは。
短篇小説の名手の掌で踊らされる、第81回直木賞受賞の傑作集。「エスプリの小説」「人生の闇の断面がたくみに切りとらえられて、心を打つ」「宝石細工のような作品」選評より
「まだ何人か、雨乞い一味の者を捕えてはおらぬが……」長谷川平蔵は岸井左馬之助をまねき、酒肴のもてなしをし、三方を差し出した。「さ、うけとってもらいたい」「ばかな」
(父上なら、どうなさるか……?)長谷川辰蔵は鬼子母神参道にある〔あやめ屋〕という茶店へ入り、菅笠と焼きだんごを買い、裾をからげ、だんごを頬張りながら走り出した。
芹の味噌椀。鱒の味醂漬。従兄の仙右衛門に連れて行かれた駒込富士前町の料理屋〔瓢箪屋〕を、平蔵はたちまち気に入ってしまった。が、主人の勘助はただ者ではなかった。
あじさいホテル、通称・任侠団体御用達『プリズンホテル』での旅物語は「気持ち悪いくらいのハッピーエンド。NHKの朝ドラだってはずかしくなるくらいのヤツ。乞うご期待だ」
五人は上野広小路の蕎麦や東月庵で落ち合った。天ぶら蕎麦で熱い酒をのむうち躰が汗ばんできた。と、舟形の宗平があらわれ「さ、めえりましょう。七之助が待っております。」
「掻掘のおけいに、すっかり、しゃぶられているのでござんす」平蔵も少年のころから好んだ海福寺門前〔一本饂飩〕を平らげた大滝の五郎蔵は、砂井の鶴吉の哀願に耳を傾けた。
収穫がなかったその一日の疲れを、ひいきの料亭・上野山下〔伊勢屋〕で鯉の洗いの一品ででも癒そうとしていた平蔵は、その目と鼻の先に探し人がいるとは夢にも知らずにいた。
文明開化の空の下、新聞記者に半七老人が語る江戸の思い出話・・・話の妙味ははもとより、厳密な時代考証のうえに作者自身の体験が生身の厚みを加える。ーーおもしろい!
文明開化の空の下、新聞記者に半七老人が語る江戸の思い出話・・・話の妙味ははもとより、厳密な時代考証のうえに作者自身の体験が生身の厚みを加える。ーーおもしろい!
食いしん坊の忠吾が「みなとやの豆腐の田楽。これはなかなかのものでございまして…しかも値が安いのが何よりでございます」と話していた三十三間堂前の店に、平蔵は入った。と…