- 著者:
- 伊集院静
- 朗読:
- 根本泰彦
つつましくキラリと光るものを持ち、かつ巧みに企まれた小傑作が七つも収められているのだから、これは立派な一冊と言わねばならない。(直木賞受賞受賞にあたっての選評より)
オーディオブックのことなら名作・名著を文芸から一般・学術書まで提供することのは出版オーディオブック。日本の心シリーズ、文豪、時代小説など脳を健康にするオーディオブックを揃えています。
つつましくキラリと光るものを持ち、かつ巧みに企まれた小傑作が七つも収められているのだから、これは立派な一冊と言わねばならない。(直木賞受賞受賞にあたっての選評より)
「芭子ちゃん。私たちはもう、ちゃんと罪を償ってきたんだよ」償ったのか。償えたのか。終わったのか。終わっていいのか。終れるのか。犯罪を犯した人の、その後の物語。
作者は短編集の構成について「二番打者最強説がジョーク混りの私の持論」一番良いと思う作品を二話目にすると語ったことがある。さて本作二話目は、縁ない葬儀に参列するのが趣味な女の話です。
三島由紀夫が「熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の逸品と激賞した川端康成の傑作。
「風の又三郎」は、宮沢賢治の代表的作品。山あいの小さな分教場に変わった風貌の転校生高田三郎が現れた。最初はお互い緊張していたが、やがて打ち解け、高原の野原で馬追いに興じたり、川で発破漁に遭遇して魚を捕ったりして遊んだ。
谷崎潤一郎の風刺的文学の逸品。猫好きにはたまらないペーソスとユーモアが滲 み出ている。
「ヴィヨンの妻」は破滅型の夫と彼を支える妻を巡る世界のえも言われぬおかしみと哀しさを醸し出す太宰晩年の短編の傑作。酔った夫が、店の金を盗んだことをきっかけに妻は夫婦の店で働き始める。
若い一人称独白小説のスタイル確立の先がけとなった「女生徒」。若い女子学生の感覚、心理、生理を その細かい襞まで描いている。
イーハトーヴの森に名高い木こりの子として生まれたグスコーブドリ。妹ネリと毎日楽しく遊んでいたが、ある日、父親が森に行ったまま帰らず、それを探しに行った母親もそれっきりになってしまった・・・映画化され、今話題の宮沢賢治童話の名作。
風流三昧の俳諧師蘿月は、遊芸への思いを断ち切れずにいる甥の長吉に、敢えて親孝行のために辛抱せよと諭し、長吉と懸隔が生じる苦衷を味わう荷風の懐旧情緒の代表作のひとつ「すみだ川」。
「硝子戸の中」は、早稲田の漱石山房の硝子戸の書斎に坐して、思い浮かぶあれこれを綴った滋味溢れる漱石最晩年の小品集。胃潰瘍の悪化で死去する前年の作品である。
文科省留学生として英国に派遣された際の生活ぶりを抱腹絶倒の筆致で描く『倫敦消息』『自転車日記』。の2つの随筆には、そのロンドン(倫敦)滞在中での抱腹絶倒の漱石の姿がある。
岡本かの子の名作「家霊」と、幻想的小説「川」の2編を収録。
「羅生門」「蜘蛛の糸」「舞踏会」「鼻「など、芥川龍之介の多彩な内容の短篇を5作品収録。
屈折した性的願望を持つ夫と、貞淑と淫乱の両面を持つ妻が、それぞれ日記を相 手が読むように仕向けながら綴る『鍵』。谷崎潤一郎による性愛小説の代表作。
夏目漱石の代表作『吾輩は猫である』の(一)~(三)までを収録。
刺青師の清吉が肌にさす針、抜く針の度ごとに、その光輝ある美女は悶え深い吐息をついた。針のあとは次第に巨大な女郎)蜘蛛の形を具え始め、やがて女の背一面に広がった。
大阪道修町の裕福な商家の娘、春琴は、美貌ながら9歳のとき眼病で失明する・・・谷崎潤一郎の耽美主義文学の名作で、数度にわたり映画化もされている。マゾヒ ズムを超越した春琴と佐助との師弟関係を描いている。
青少年が一度は耽読する太宰の名作。太宰の人生と重なる内容で、玉川上水で心中する前の最後の完結作品。
森光子の舞台の原案となった第一部、第一部での事件の裏側視点や過激発言も楽しい第二・三部をあわせた、三部作全編を収録。これは快挙です!