- 著者:
- 池波正太郎
- 朗読:
- 神谷尚武
「こうなれば押しこみ強盗でも……」という気持になるのもむりはないところだが、さすがに〔忠さん〕そこまでは落ちきれぬところがある。
オーディオブックのことなら名作・名著を文芸から一般・学術書まで提供することのは出版オーディオブック。日本の心シリーズ、文豪、時代小説など脳を健康にするオーディオブックを揃えています。
「こうなれば押しこみ強盗でも……」という気持になるのもむりはないところだが、さすがに〔忠さん〕そこまでは落ちきれぬところがある。
長谷川平蔵が〔その女〕をはじめて見たのは……あの組下同心。木村忠吾が、まだ谷中いろは茶屋の娼婦お松のもとへ通いつめていたころのことだ。
巧みな声色を遣って押し込み、金品ばかりか娘や若い女房などを次々に犯すという押し込みが頻発する。
「いいかい、弥市どん。お前、気をつけねえよ」「え‥‥‥!」「縄ぬけの源七どんが、江戸へ帰って来たぜ」
大滝の五郎蔵は、脱獄というかたちをとって娑婆へでた。
押し込みの繋ぎをつけていた惣介と鍋蔵は、縁の下にいた乞食坊主に密談を聞かれてしまう。
風邪で寝込んだ平蔵の寝間から愛用の銀煙管が盗まれた。不覚を取った平蔵が鮮やかな逆転を見せる。愛読者人気ナンバーワンの作品。
盗賊の似顔絵を描いた石田竹仙は、達者な筆運びで絵を仕上げたが、なぜか描き終えたときには、疲れきって口もきかぬようになってしまった。
旅の老武士が笠をぬぎ捨て、懐から出した革紐を襷にまわしかけ、震える手でよれよれの鉢巻をしめ、大刀を引き抜くのを、石灯篭の陰から平蔵は注視した。
長谷川平蔵配下の与力・同心の家族が次々惨殺される事件が起きた。
密偵おまさは、飯屋の入れ込みで、町女房風の客と飯屋の女房の喧嘩に遭遇する。
かつての剣友、井関録之助をつけ狙う「凄い奴」と刃を交えた平蔵は追い詰められたが。
市中巡回中の佐嶋忠介は、8年前まで盗賊改方・同心を勤めていた部下の高松繁太郎に出会った。
お熊の茶店の真前にある弥勒寺で働く下男茂平は、お熊に誘われてお茶や饅頭を食べる仲だった。
三ノ輪のはずれに[どんぶりや]という飯屋ができた。飯は食い放題、汁に魚に、こうこがついて七文だと大評判。
十年前に、一味の者に引退金(ひきがね)を与え、お盗めからきっぱりと足を洗った老盗人が、昔を忘れられず悪戯心で三百両を盗み、又、人知れず返しに行く。
「はせ川へいぞうさまへ」たどたどしい文字で書かれたその手紙は押込みを知らせる密告だった。
船宿[鶴や]を経営している小房の粂八から、巣鴨の徳善寺に押し込みの計画ありと知らせを受けた平蔵は、寺の寄宿人を装って見張りを続ける。
長久保の佐助は、偶然宗平の店に立ち寄った。昔馴染みとの再会を喜んだ宗平は、五郎蔵おまさと共に佐助の息子の敵討ちの手伝いをすることになる。
久しぶりに火付盗賊改方の密偵 彦十、宗平、五郎蔵、粂八、伊三次、おまさが集まって酒を酌み交わしていた。