- 著者:
- 池波正太郎
- 朗読:
- 神谷尚武
火付盗賊改方の与力をつとめる富田達五郎は、夜の川面で商人の橋本屋と船頭を切って捨てた。
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火付盗賊改方の与力をつとめる富田達五郎は、夜の川面で商人の橋本屋と船頭を切って捨てた。
眉が濃く一本につながって見えるその人を、木村忠吾はひそかに一本眉の旦那と呼んでいた。
岸井左馬之助は平蔵と共に通った高杉道場の先輩、野崎勘兵衛に出会った。
密偵「馬蕗の利平治」は、昔の盗人仲間「鷹田の平十」から、腕っ節の強い助っ人が欲しいと頼まれる。
密偵伊三次は、細身の身体をきびきびと動かし最近はすることが、いちいち平蔵の腑に落ちるようになってきた。
船頭の常吉は、今日もたっぷりと灯油の入った竹筒を腰に、暗い川岸にじっと身を潜めていた。
のんびりと酒食を楽しんでいた平蔵は、隣部屋の客の声を聞き、かつて弟のように可愛がっていた池田又四郎だと確信した。
目黒不動尊参詣を兼ねて市中巡回の平蔵は、突然の豪雨に空家に駆け込んだ。
密偵小房の粂八は、料理屋「万亀」の物置小屋へすばやく消えた馴馬の三蔵を見て、(あ、居坐り盗めをやりなさるな)と看てとった。
川半の座敷女中おさわは、嘗役・針ヶ谷の宗助の女房で亭主の仕事を助けていたが、一方で盗賊沼目の太四郎の女でもあった。
密偵仁三郎は、昔の仲間鹿谷の伴助に「一緒にお盗めを・・・」と誘われる。伴助と歩む姿を、功名心の強い同心・山崎庄五郎にみられ、平蔵への報告を止められる。
日頃から、火付盗賊改方の探索に協力してくれている桶屋の富蔵・おろく夫婦の子供(養子)がかどわかされた。
今は、密偵となっている馬蕗の利平治は、大仕掛けの盗みをはたらく盗賊の首領・妙義の團右衛門に「江戸での盗みは不案内ゆえ助太刀を」と乞われ、快く承知する。
女密偵おまさは、かつて同じ頭の下で引き込みを勤めた女盗のお元を見かけた。
以前は火付盗賊改方の同心を勤めていた松波金三郎は、今では小さな居酒屋の亭主になっていた。
大滝の五郎蔵は、久方ぶりに煮売り酒屋の喜十を尋ねた。喜十は五郎蔵を信頼し情報を知らせてくれる「漏らしや」だった。
大滝の五郎蔵は、久方ぶりに煮売り酒屋の喜十を尋ねた。喜十は五郎蔵を信頼し情報を知らせてくれる「漏らしや」だった。
「もし・・・」大滝の五郎蔵へ声をかけてきたのは、口合人の寺尾の治兵衛だった
非番の細川峯太郎が市中をぶらついていると、辰の市を見かける。盲目の辰の市が両眼を開き、怪しげな浪人と話していた。
役宅内の詮議場に引き出された男は鼻筋の通った色白の美男だったが、顔には無残な火傷の跡があった。