- 著者:
- 野村胡堂
- 朗読:
- 後藤敦
金沢町の小町娘・油屋のお春失踪の知らせに「お春坊は無事平穏に生きながらえるにしちゃ少し綺麗過ぎらァ」と神田祭の宵宮もそっちのけで飛んでいく平次でしたが。
オーディオブックのことなら名作・名著を文芸から一般・学術書まで提供することのは出版オーディオブック。日本の心シリーズ、文豪、時代小説など脳を健康にするオーディオブックを揃えています。
金沢町の小町娘・油屋のお春失踪の知らせに「お春坊は無事平穏に生きながらえるにしちゃ少し綺麗過ぎらァ」と神田祭の宵宮もそっちのけで飛んでいく平次でしたが。
「橋場の恵大寺の墓場に、チョクチョク出るって話をお聞きですかい」とガラッ八、両手を胸にダラリと泳がせて「美い女だってネ」今回は墓場の美女のお話です。
引っ越して来た人間が怪しいと目をつけた平次、「その中で一番泥棒と縁の遠いのは?」「驚いたね、怪しいのは調べ上げて来たが」と言いつつ八五郎は二人の名をあげました。
変なものが出て困るという両替屋の升屋に「化け物退治は気が乗らねえ。が、主人かお内儀に逢ったら、これだけの事を言っておくがいい」知恵を授ける平次でした。はたして‥
喜兵衛が田原屋から届けられた薬を飲んで死に、大騒ぎしているところへまた田原屋からの使いが。「ここへ使いに来たのは、今日は二度目だろうね」「いえ、今始めて参りましたが
古書店主による本をめぐるエッセイ。『完全なる男性』『読まずとも買え』『名探偵の蔵書』『坊っちゃんの本名』『猫会議』 などなど、本好きでなくとも楽しめる156話。
文明開化の空の下、新聞記者に半七老人が語る江戸の思い出話・・・話の妙味ははもとより、厳密な時代考証のうえに作者自身の体験が生身の厚みを加える。ーーおもしろい!
文明開化の空の下、新聞記者に半七老人が語る江戸の思い出話・・・話の妙味ははもとより、厳密な時代考証のうえに作者自身の体験が生身の厚みを加える。ーーおもしろい!
食いしん坊の忠吾が「みなとやの豆腐の田楽。これはなかなかのものでございまして…しかも値が安いのが何よりでございます」と話していた三十三間堂前の店に、平蔵は入った。と…
「お神さん、気の毒だが、お前さんの身体を調べさせて貰いたいが――」という銭形の平次に、「裸体になりましょうか、親分さん」悪たれた年増女はニタリとしました。
「親分、犬が女を殺すでしょうか」「咬み殺されたのかい」「そんな事なら不思議はないが、女が匕首で刺されて死んでいるのに、雪の中の足跡は犬なんだそうで――」
「勤皇殉教者」堀直虎、「黒幕」玉松操、「政商」トマス・グラバー、「異国訪問者」竹内藤蔵召使、「偽系図作家」沢田源内 ――歴史の舞台裏に生きた『怪人』18人
死んだお新を最後に見たのは風呂屋のお神らしく「顔へ陽がさしたのを、奥からチラリと見て、——あゝいつもお綺麗なことだ——とおもったそうで」それを平次は聞きとがめました。
「ねえ」と、平次「暖簾が大事か、人の命が大事か、恋が大事か、義理が大事か。――岡っ引きの私には解らねえ。」首を挙げたお町の頬には真珠色の涙がポロポロこぼれます。
ツルギで刺されて両国橋の真ん中から吊るされたていた娘「これほどのきりょうなら、すぐ身許は解るだろうな」それは中国の大藩の浪人者・梶四郎兵衛の娘お勇でした。
役宅正門前の〔清水御門〕外にくる評判の〔茶飯売り〕であつらえた豆腐と燗酒を手に、同心・小柳安五郎が隣長屋の木村忠吾もとを訪れたものだから、忠吾め、瞠目をした。
作者は短編集の構成について「二番打者最強説がジョーク混りの私の持論」一番良いと思う作品を二話目にすると語ったことがある。さて本作二話目は、縁ない葬儀に参列するのが趣味な女の話です。
「自分で育てると草花も我が子のように可愛いものだ」妙なことを言い出す平次、「殺した下手人は、朝顔の垣を除けて大廻りして逃げている。こんな優しい人殺しは珍しかろう」
八五郎の寝ている部屋に勝手にあがりこんだ艶めいた女「わッ、何をしやがるんだ。俺は女が嫌いだよ」ガラッ人の八五郎、自慢ではないが、これが臍の緒切って以来の女難でした。
「銭形平次――と言うから、どれほどの男かと思ったが、なんと弱い野郎か―― って言やがる」と、八五郎。「何? 手前を平次と間違えたのか。そいつは面白い」平次は膝を乗出します。