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江戸時代の人情と医療を描いた名作

赤ひげ診療譚

赤ひげ診療譚

著者 山本周五郎
朗読 三好翼

朗読時間 604分
CD枚数 9枚組

¥5500円

あらすじ

長崎留学から戻って幕府の御番医になるつもりが、
許嫁であった天野ちぐさの裏切りによって
小石川養生所の医院の見習いとして勤務させられることになった保本登。
医院長の「赤ひげ」こと新出去定のすべてが気に入らず反発してしまう。
しかし赤ひげと共に様々な患者にふれあいながら
貧しい患者にを思いやる不器用な優しさに触れ次第に尊敬の念を抱いていく・・・。

登場人物などについては下記で公開中
各話あらすじも下記にて公開中

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新出去定(にいで きょじょう)
赤ひげ診療譚の主人公、通称「赤ひげ」と呼ばれる医師で、小石川養生所の責任者。
口数少なく、行儀は良くないが貧しく、不運な人々を助けるため医師として最善を尽くす。

保本登(やすもとのぼる)
赤ひげ診療譚もうひとりの主人公。
長崎で医学を学び、江戸へと戻ってくるが、長崎での留学中に許嫁の天野ちぐさに裏切られてしまい、
娘の不貞を恥じた天野源伯により小石川養生所に飛ばされてしまう。
就任当初、養成所で働くことに反発していたが、主人公の赤ひげと共に様々な患者と接するうちに医師としての道を見出していく。

森半太夫
小石川養生所で見習い医師をしている。
生真面目で、赤ひげを尊敬している。

お雪
小石川養生所の賄所で働く女。森を慕っている。


保本良庵・八重
登の実の父と母。

天野ちぐさ
登を裏切った元許嫁。

天野まさを
ちぐさの妹。

おゆみ
殺人癖のある狂女。小石川養生所にて隔離されている。

お杉
おゆみの世話をする女中。


狂女の話
長崎に留学し、医学を学び終えた保本登は江戸へ帰ることに。
幕府の御番医になるつもりで戻ってきた登だったが、許嫁の天野ちぐさの不貞な裏切りによりそれを恥じた父である天野源泊の手回しによって小石川養成所に行くこととなる。
幕府の御番医になれなかったこと、許嫁に裏切られたこと、さらには長崎で学んだ最新の医学知識を小石川養成所の医長である新出方定に全て無条件で差し出さなくてはならないことなど全てに不満を持っていた。抵抗するかのように養成所の規則や、規則を決めた新出に逆らい続ける。同じく養成所で働くお杉に愚痴をこぼし彼女と仲良くなっていく。
お杉は養成所の一角に監禁された狂女である「おゆみ」を世話する女中だった。
おゆみに対し、医師として興味を持った登だったが、新出以外が診察するのは困難な状況だった。
そんなある日のこと、お杉は登るに「新出先生の見立ては間違っている」とおゆみの身の上について語りだすのであった・・・。

駈込み訴え
養成所に入所していた六助という老人が死に、身寄りを探すために登が定宿に行くと、そこには六助の孫だという子供たちが押しかけてきた。
母親が奉行所に捕まってしまったため、六助に子供を預かって欲しいと言うことだった。
登るは新出と奉行所に行き、診療と称して六助の娘であるおくにと話をすることに。
牢に入れられた理由を聞くと、彼女が牢に入れられたのは「罪人とは言え、情けを交わした夫を恩賞金欲しさに訴えた」罪だと言う。しかし彼女が夫を訴えたのには、恩賞金以外にも理由があった・・・。

むじな長屋
養成所に来ない(来れない)病人を診療しにこちらから赴く、「通い治療」を始めた登はむじな長屋に住む佐八を診ることになる。
驚くべきことに佐八は自分自身が生きるのに必要最低限の金品を確保し、残りは全て長屋の住人に分け与えていたのだった。登が処方した薬さえも長屋のものたちに与える佐八に、登はなにか理由があると感じる。
命の最後が迫ってきた佐八はかつて大火で生き別れてしまった女房のおなかについてぼそぼそと語り始める・・・。

三度目の正直
新出と登は、神田佐久間町に住む大工の藤吉に頼まれ、居候で弟分の大工・猪之を診察することになった。
猪之は腕のいい大工であったが、幼い頃から女に好かれる性質だが女を寄せ付けず、藤吉が所帯を持ったこの半年の間に奇妙な行動を繰り返すようになった。
藤吉から猪之の話を聞いた新出は、猪之が藤吉の気を惹くため無意識にやっていると判断し、藤吉と引き離すため診療所へ置くことにする。
しばらくの間は何の変化も見られなかった猪之であったが、ある日女嫌いになった理由を登に話し始める・・・。

徒労に賭ける
新出は定期的に、みくみ町の岡場所へ通い療治に出向き、貧しさゆえに望まず身売りされ客を取らされ、病を患っても養生できずに死んでいく娼婦たちを強制的に診療していた。
ある日、登と供にみくみ町へ出向いた際に、瘡毒にかかった少女のおとよを診療した新出は、道すがら登に向かって心情を吐露するのであった・・・。

鷲ばか
登は足を痛めた母を見舞いに久々に実家を訪ねることに。
そこで元許嫁のちぐさの妹天野まさをと再会する。
少女だった頃に会ったきりのまさをだったが、思慮深い立派な女性へ成長していた彼女に、登は心惹かれていた。

「千両で売れる鶯を手に入れた!」と思い込んだ男を診ることになった登は、同じ長屋に住む長次と言う少年と知り合う。長次は一家の貧しい生活を助けるために、あちこちで様々なものを拾い集め売っていた。
しかし同じ長屋に住む元遊女である「おきぬ」は、長次をはじめ長屋中の者たちの陰口を叩き、登や男たちに色目を使い、長屋中から煙たがられていた。
そんなある日、長次の一家が心中を図ったと言う知らせが飛び込んで来る・・・。

おくめ殺し
去定と登は通い療治の帰り道、怪我人の角三と言う男に出会った。
角三の住む長屋は先代の大家から「息子の代まで無料で店子に貸す」と約束されていたはずなのに、
先代の後を継いだ息子・松次郎は「約束は自分には関係ない」と言い出し長屋を取り壊す予定だと言う。
約束が交わされた19年前の事情を唯一知る老人は既に呆け始めており、当時のことで唯一思い出せたのは「おくめ殺し」と言う言葉だけだったのだが・・・。
氷の下の芽
登はまさをと内祝言(婚礼のこと)を挙げ、久々にちぐさと顔を合わせる事に。
登は彼女に許しの言葉をかけ、晴れてちぐさと天野家のわだかまりは解けることとなった。
その夜、登はまさをにお目見医の話を断り養生所へ残る決意を話すのであった。

同じ頃、養生所に白痴の19歳の妊婦おえいが母親のおかねに連れられてやってきた。
おかねは子供を下ろすことを強く望むが、おえいは子を産み育てたいと言いはる。
渋る母親を帰し、登が詳しい事情を聞くと、おえいは「自分の白痴は、子供を食い物に道楽を繰り返す両親から逃れるための演技」だと言いだし登と新出は助けることに・・・。


※白痴とは、ふざけた言動、ふざけること、という意味です。


全ての賞をを辞退した鬼才。
山本周五郎は明治生まれの作家です。
時代小説や庶民を主人公とした小説が多く、直木賞など数々の賞受賞するのですが、
どの賞も辞退して受け取らなかった異例の作家です。

現在でも山本周五郎の作品は映画やドラマ、舞台など様々なところでまだまだ根強い人気があります。

代表作はさぶ、赤ひげ診療譚、樅の木は残ったなどがあります。


この著者のその他の作品

樅ノ木は残った
季節のない街
日本婦道記


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江戸の怪人たち
おばあさんの飛行機



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