朗読時間 52分
CD枚数 1枚組
千羽鶴の続編
「熱海駅に出迎えていた車が伊豆山を通り過ぎ、やがて海の方へ円を描くように下って行った。
宿の庭へはいっていった。傾いた車の窓に、玄関の明りが近づいて来た。
そこに待っていた番頭が、車の扉をあけながら、
『三谷さんで、いらっしゃいますね。』
『はい。』
と、ゆき子が小声で答えた。横づけになった車で、ゆき子の席が玄関に近かったからだが、
今日婚礼したばかりの、三谷の姓で呼ばれるのは初めてだろう_。
婚礼した二人が新婚旅行にやってきて初夜を共にするが・・・。
川端康成
日本の小説家であり、文芸評論家。
大正から昭和の戦前・戦後にかけて活躍した近現代日本文学の作家。
1968年、日本人として初のノーベル文学賞を受賞。
代表作は
『伊豆の踊子』『抒情歌』『禽獣』『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』『古都』など。
また川端康成は新人発掘の名人でもあり、ハンセン病の青年・北條民雄の作品を世に送り出し、
佐左木俊郎、武田麟太郎、藤沢桓夫、少年少女の文章、山川彌千枝、豊田正子、岡本かの子、中里恒子、
三島由紀夫などを後援し、数多くの新しい才能を育て自立に導いた。
多くの名誉ある文学賞を受賞したが、1972年72歳でこの世を去った。
この著者のその他の作品
「名人」
「雪国」
「掌の小説」
「眠れる美女」
「みずうみ」
「伊豆の踊子」
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